先日、タイ人の同い年の女の子に誘われて、
夕食を食べに行きました。
お寿司とタイスキ食べ放題のレストランで、1人400バーツ程度。
普段は100バーツもあれば夕食は済ませられるのですが、
彼女からこの店にしようと要望があったので、ちょっと贅沢に。
75分間、お腹いっぱいになるまで食べて飲んで、
いざお会計、という時に少し気になることが…。
会計はクレジットカード払い。タイ人の家計管理は大丈夫?
レジでお会計をしようとすると、
「月末でお給料入るまで手元にお金ないから、
まとめてクレジットカードで払わせて」と一言。
特に問題ないので「いいよ。」と言って、
自分の支払い分の現金400バーツを渡しました。
よくよく考えるとこれって、
今月は手元にもATMにも現金がないので、クレジットカード払いにして、
翌月の引き落としまでお金の出を引き延ばす作戦だ、とふと思いました。
そういえば先月末も同じようなことがあって、カードで支払っていたような…。
家計管理、大丈夫なのかな…。
おせっかいですが、少し心配になります。
タイ 内需は好調も、家計債務が増加中。タイ銀行の懸念。
2019年JETROがこんなレポートを出しています。
家計債務の増加に警鐘を鳴らすタイ中銀、好調な個人消費を維持できるか
2018年のタイ経済は、個人消費を中心とする内需が牽引する形で改善してきた。
その一方で、中央銀行であるタイ銀行(Bank of Thailand,BOT)は好調な個人消費の背景にある家計債務残高について注視する姿勢を示している。・・・(中略)
BISデータによると、先進国の家計債務残高(対GDP比)は比較的高め(72.4%)、新興国は低め(36.2%)であることが見てとれるが、タイは68.3%とほぼ先進国平均に近い水準で、日本(57.7%)を大きく上回っている。他のASEAN諸国と比べても、マレーシアの67.0%、シンガポールの54.9%、インドネシアの17.0%を上回るなど、タイの家計債務残高は大きいことが分かる。
タイの家計債務が2011年以降に拡大した理由としては、インラック政権が2011年9月から実施したファーストカーバイヤー制度(初めて自動車を購入する者を対象に物品税を還付する制度)の影響や2011年に発生したバンコク周辺部の大洪水が影響しているほか、新たな金融商品の開発や金融技術の進展により、一般消費者の借入に対するアクセスの改善が図られたことなども考えられる。
要するに政府主導の制度や新しい金融商品が出てきて、
一般の人もお金が借りやすくなったので、
お金を借りてモノを買おうという動きが出てきた、
そのせいで家計債務が増加しているということですね。
タイ人の17%が個人ローンを利用しており、
そのうちの30%は新卒(25歳から35歳)の若年層。
さらにこの若年層のうちの20%は債務不履行だそうです。
この債務不履行の状況を懸念し、
2017年にはタイ中央銀行がクレジットカードの保有枚数制限と、
利用限度額の引き下げを行いました。
(https://www.bangkokpost.com/business/1282307/bot-less-pliant-on-credit-cards)
前述の友人が借金をしているかどうかまでは知りませんが、
タイの若者が決して余裕のある生活をしているわけではない、
ということは何となく実感としてあります。
タイの若者の暮らしぶり
タイの新卒初任給は、
一般的な事務系職種で15000―20000バーツ/月程度。
毎年昇給していくので、
ざっくり年齢×1000バーツくらいが大卒ワーカーの一般的な給与、
と考えられるそうです。
(30歳なら30歳×1000バーツ=30000バーツ/月)
これに残業手当や資格手当、ボーナスがついたりしますが、
仮に月給30000バーツ、ボーナス4ヶ月分と考えると、
年収480000バーツの計算になります。
日本円にすると年収168万円程度。
これがタイ人大卒オフィスワーカーの給料です。
日本人のわたしでも、
普通に暮らして月35000バーツくらいで生活できるので、
タイ人にとっても30000バーツがとうてい生活できない金額、
というわけではないですが、
ちょっと贅沢しようものならすぐに赤字です。
会社の若いタイ人スタッフはお給料が入ったとたんに、
タイスキ食べ放題や、日本食を食べに行き、
新しいコスメや洋服を買いに行きます。
ボーナスが入れば日本や韓国に旅行にも行ってます。
一方、給料日前になるとお金がないらしく、カップラーメンを食べています。
食事の誘いも断られるか、
あるいは「安いところなら…」と言われます。
親にお金を借りていたり、
社員同士で「お給料入ったらすぐ返すから!」と貸し借りをしたり、
クレジットカード払いでしのいだり、
というのもよく聞きます。
タイ人は副業もけっこう気軽にやるようで、
アルバイトをしているケースも珍しくありません。
身近にいるタイ人を見ていると、JETROのレポートが言うとおり、
たしかに入ったお金はパッパと使って個人消費は好調だし、
自転車操業で危うそうな様子もありますね。
日本人がタイで働く場合はVISA基準があり、
(一部職種を除いて)50000バーツが最低賃金となるので、
よっぽどの浪費癖やお金のかかる趣味がなければ十分に生活可能です。
お金の話はなかなか聞きにくいですが、
タイでタイ人と関わる場合は、頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。
こちらの記事では、
20代のタイ人女子とビール片手におしゃべりした内容を、
しゃべったまんま書きつづっています。
等身大のタイ人女子が見たい方、ぜひ。


ちなみにタイのお金持ちはびっくりするくらいお金持ちです。
BMWとかポルシェとか乗り回してます。
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