vol118 タイでも起きたディズニー映画『ムーラン』ボイコット運動

タイで暮らす

全世界、タイ、台湾、香港―いわゆる「ミルクティー同盟加入国」―においても、
ディズニー映画『ムーラン』をボイコットする動きが広まっています。

vol116 タイ×台湾×香港から始まる”ミルクティー同盟”とは?
タイ、台湾、香港の間で、中国に対抗すべく ミルクティー同盟(Milk Tea Alliance)が結成されたのは2020年4月ごろ。きっかけはあるタイ人俳優のTwitter。「1つの中国」を主張する中国に対し、ミルクティー同盟の結束は固く、SNS上で舌戦を繰り広げました。

制作開始当初からさまざまな問題を抱えてきた作品『ムーラン』と
ミルクティー同盟によるボイコット運動、
タイ国内の『ムーラン』を取り巻く状況についてシェアします。

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問題につぐ問題・・・ディズニー映画『ムーラン』とは

『ムーラン』はアメリカで制作されたファンタジー映画。

オリジナルは1998年ディズニーによって制作されたアニメ映画ですが、
これが実写リメイクされたのが今回の『ムーラン』です。

国家の命運をかけた戦いを前に、すべての家族から男性を一人、兵士として差しだす命令が下る。ファ家のひとり娘、ムーランは、家族で唯一の男性である病気の父親を守るため、男性と偽って戦地へ赴く。ファ家の守り神で、ちょっと風変わりな“不死鳥”に見守られながら、やがてムーランは戦士としての才能を開花させていくが…。
上官や仲間たちとの友情の絆や、敵軍に仕える美しき“魔女”との宿命の出会い…明日の命も知れぬ闘いの果てに、ムーランを待ち受ける運命とは? そして、“本当の自分”と“偽りの自分”の間で葛藤する彼女が、最後に下す決断とは…?

(Disney+ 作品紹介より引用)

新型コロナで各国公開延期・公開中止に・・・

 

制作の都合で2018年の公開予定が遅れ、2020年公開に。

ところが、2020年の新型コロナ大流行で公開日を再度延期、
公開のめどがたたず中止する国も出るなど、公開前からひと波乱。
アメリカなど一部の国では劇場公開を取りやめて
ディズニーの公式配信サービスで有料配信することにしましたが、
劇場で収益が上がらないことなどから猛反発が起こりました。

新型コロナ流行という未曽有の事態に巻き込まれ
予想外の影響を被った『ムーラン』ですが、
主演女優リウ・イーフェイのSNSへのとある書き込みが大炎上します。

 

主演女優SNS”香港警察を支持”にムーランボイコット

『ムーラン』の主演女優であるリウ・イーフェイが
香港の「逃亡犯条例」に関するデモに関してSNSに投稿し大炎上。

香港は民主化運動のまっただなかで
香港警察とデモ活動参加者が争っており、
香港警察の過剰な攻撃を非難する声もある中で、
リウ・イーフェイは「香港警察を支持します」「香港の恥」
などと書いたのが炎上の原因でした。

台湾・香港の自治を主張して結成された
タイ・台湾・香港による「ミルクティー同盟」も
リウ・イーフェイに反発。

 

タイ国内では『ムーラン』は劇場公開されていますが、
民主活動家などがハッシュタグ#BoycottMulanを使って
抗議の意思表示をするなどボイコット運動が起きています。

特に、タイの学生運動家であるNetiwit Chotiphatphaisalさんが
『ムーラン』ボイコットを呼びかけた以下のツイートは5万以上リツイートされ、
一時はハッシュタグ#MulanがタイでTwitterのトレンドに入るほどでした。

『ムーラン』撮影地は新疆ウイグル自治区

さらには『ムーラン』の撮影が新疆ウイグル自治区で行われたことも
問題を大きくしています。

中国の西端に位置する新疆ウイグル自治区では
多数のウイグル人が強制収容所に拘束されたり強制労働をさせられたりと
中国政府による大規模な人権侵害が指摘されている地域です。
ディズニーがその地域を統治する政府機関等から協力を得て映画の撮影を行っていた
ということにタイに限らず世界中から批判が集まりました。

アメリカの会社であるディズニー、
新疆ウイグル自治区の人たちを弾圧する中国。
『ムーラン』は米中対立のはざまに立つような状態に。

ボイコットの一方『ムーラン』コスメブランドとのコラボも

公開前後で様々な批判、抗議を受け、
ボイコット運動にまで発展してしまった作品『ムーラン』ですが、
話題を集めた人気アニメ映画の実写化であり、
本来であれば「期待の大作」であるはずでした。
2016年当時、日本では
「興行的成功が見込まれる」と評したネット記事もあったほど。

 

また、タイのプチプラコスメブランド
”Oriental Princess(オリエンタルプリンセス)”
とコラボした商品が販売されており、
街中や駅のホームのデジタル広告で宣伝されています。

中国風というのか、エキゾチックな雰囲気の女性をモデルにしており、
当然、古代中国を舞台にした『ムーラン』を
十分に意識した広告に仕上がっています。

 


Oriental Princess公式のYoutubeチャンネルでは
プロモーション動画も公開。

人気のコスメブランドがコラボするほどですから、
それだけこの映画が注目を集めていたことが分かります。
Oriental Princess公式HP

 

まとめ

「作品に罪はない」とはよく言われますが、
特に新疆ウイグル自治区問題を含んでいるという点で
個人的には少し見るのをためらってしまう作品になってしまいました。

新型コロナの影響や「ミルクティー同盟」結成後であったことなど
作品公開のタイミングが悪かったと言えなくもないですが、
世界のあちこちの国が民主化を求めて動く中、
民主化の流れに逆行する作品・発言であると言えるし、
民主化を求めるタイ・台湾・香港の「ミルクティー同盟」が
この作品を機にさらに団結することも当然であるように思います。

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