vol170 タイで働いてもグローバル人材になれない理由。

タイで働く

「世界で通用するビジネスマンになりたい」
「グローバルな環境で働きたい」

海外就職や海外駐在を目指す人が
海外を目指す理由として
よく上記のようなことを言います。

 

わたしも学生の頃からずっと
「海外と関わる仕事がしたい」「海外で働きたい」
と何となくながら思っていました。
いわゆる「グローバル人材」になりたい、と。

じゃあ、いざタイ就職してみて
わたしがグローバル人材になれたか、
まわりの人がグローバルな環境で働いているか、
と振り返ってみると、
必ずしもそうではないんですよね。

今日は
「タイで働いてもグローバル人材になれない理由」
を考えてみます。

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グローバル人材ってそもそも何だろう。【定義】

そもそも「グローバル人材」
って何だろう。

おそらく多くの人が思い浮かべるのは
「英語が話せる」とか
「外国でもタフに生活できる」とか
あるいは「異文化理解」
といった言葉を思い浮かべるかもしれません。

これらもグローバル人材の定義に含まれますが、
例えば英語が話せるだけで
グローバル人材と呼べるかというと、
それもまた違うように思います。

グローバル人材の定義については、
日本の各省庁やあらゆる企業が議論していますが、
「産学人材育成パートナーシップグローバル人材育成委員会」
の中では以下のように定義されています。

グローバル化が進展している世界の中で、主体的に物事を考え、
多様なバックグラウンドをもつ同僚、取引先、顧客等に
自分の考えを分かりやすく伝え、文化的・歴史的なバックグラウンドに
由来する価値観や特性の差異を乗り越えて、
相手の立場に立って互いを理解し、
更にはそうした差異からそれぞれの強みを引き出して活用し、
相乗効果を生み出して、新しい価値を生み出すことができる人材

出典:『産学人材育成パートナーシップグローバル人材育成委員会 報告書
~産学官でグ ローバル人材の育成を~』

 

また、グローバル人材の要素としては
首相官邸が以下を挙げています。

要素Ⅰ:語学力・コミュニケーション能力
要素Ⅱ:主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、
責任感・使命感
要素Ⅲ:異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー

○ このほか、「グローバル人材」に限らず
これからの社会の中核を支える人材に
共通して求められる資質としては、
幅広い教養と深い専門性、課題発見・解決能力、
チームワークと(異質な者の集団をまとめる)リーダーシップ、
公共性・倫理観、メディア・リテラシー等を挙げることができる。

出典:グローバル人材育成戦略

グローバル人材になることを目指すとき、
目指すべきは上記のような姿であるということです。

そしてもちろん「グローバル」というからには、
コミュニケーションの相手や相互理解の相手は
日本人に限らない世界中の人々でしょう。

 

タイという異文化の中でタイ人と仕事するんでしょ?
タイで働けばグローバル人材になれるじゃない?
と思ったかもしれません。

グローバル人材になるチャンスはもちろんありますが、
そのためには働く環境や仕事を選ぶ必要がある
と考えています。

 

「タイで働いてもグローバル人材になれない理由」
を挙げます。

日系企業中心のビジネス環境がある

タイには日系企業が多く進出しているため、
ビジネス環境も対日系企業
というのが多くなります。

 

タイへは大手製造業が早くに進出しました。
日本の自動車メーカーがタイに出ると、
サプライヤーである部品メーカーや
生産設備メーカーもタイに工場や事務所を構え、
作ったものを運び保管する物流企業等も
タイに進出してくることになります。

こうして日系企業を中心としたビジネス環境が構築され、
タイで仕事をしていても
日系企業の日本人との接点が多くなります。

言語は日本語で事足りるし、
商習慣やものの考え方にも
日本人同士なら大きな齟齬は生まれにくく、
日本で仕事をするのと何ら変わりません。

「日本人」として働くことに価値がある

日系企業を中心としたビジネス環境の中では、
グローバル人材よりもむしろ
「日本人」として働くことが求められ、
「日本人」として働くことにこそ価値がある、
という場合すらあります。

例えば日本人は当たり前にやる接待飲み会ですが、
接待や仕事の延長のような飲み会はしない、
という国・文化の人もいます。
また、特にタイの日本人の間では接待ゴルフも盛んです。
接待1つとっても「飲み会・ゴルフ当たり前」という
日本人的な感覚を持ち合わせている方が都合がよくて、
そこにグローバルな感覚を持ち込まれても
和を乱しかねません。

 

タイ在住日本人に対するサービスの仕事もありますが、
例えばある浄水器のレンタル会社は
集金からメンテナンスまで日本人スタッフが対応する、
ということを売りにしており、
これも「日本人」としてあるいは「日系企業」として
働くことに価値があると見なされるケースの1つです。

 

タイ人と働くにも日本流で済む

日本人と仕事をする場面が多いとはいえ、
もちろん社内や取引先など
仕事でタイ人と接する機会もあるはずです。

 

ただやはり日本への留学経験があるタイ人や
日本語ができるタイ人を雇っている場合も多く、
日本人と働く中で日本人の物の考え方とか仕事の進め方を
理解してくれるタイ人も多いので
日本語でかつ日本流で仕事ができてしまいます。

また、日本人がタイに来て仕事をして
「日本ではこうなんだ!」と日本流を押し付けると
たちまちタイ人に嫌われてしまいますが、
(よく聞く話です。)
こういった日本流の押しつけは
とても「協調性・柔軟性」「異文化に対する理解」
があるとは言えず、
グローバル人材からかけ離れたものです。

 

 

タイでグローバル人材になるには

以上が「タイで働いてもグローバル人材になれない理由」ですが、
タイで働く時点で大きなアドバンテージはあります。

働く環境や仕事の内容、仕事のやり方を考えれば
十分にグローバル人材になるチャンスはあります。

そもそも外資系企業を選ぶ、
いろんな国籍の人がいる会社に就職するとか。
タイ人と関わる機会の多い仕事を選ぶとか。
求人票や面接の際に確認できますよね。

 

また、日本人は日本人同士で仕事をしがちですが、
最近は業務や会社のマネジメントを
タイ人に任せる、ローカル化する
という動きも多くあります。

自分の業務をタイ人に任せてみる、
1つの業務にタイ人と一緒に取り組む、
というのも「タイ人と協働する」
というきっかけになるのでは、と思います。

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