vol138 異文化理解力-相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養【おすすめ本】

タイで働く

今日は、先日読んだ本
異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養
についてご紹介させてください。

タイトルにあるとおり、異文化や海外文化に関する本ですが、
ここでいう文化とは食文化や宗教、
あるいはポップカルチャーといった文化ではなく、
ビジネスにおける異文化ー評価やリーダーシップなどーに特化し、
さまざまな実例を交えながら分かりやすく説明されています。

 

さらら

海外で働く人、

日本で外国人と働いたり海外との関わりがある人、

ビジネスにおける外国と日本の文化の違いに興味がある人、

いろんな人におすすめできる本です!!

 

この本で紹介されている、
多国籍チームで働く上で出てくる文化の違いによる問題の実例が
本当に興味深く読み進められます。

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『異文化理解力』を読むことになったきっかけ

学生のころから異文化・海外文化というものに興味があり、
大学でも主にアジアの宗教や生活文化を学んでいたほど。
海外旅行も好きで留学もし、
異文化の中で暮らすという楽しい経験をしてきました。
海外で遊んだり海外に住むというのは、すごくよかったのです。

 

 

2019年にタイに来て人生で初めて
異国で仕事をすることに。
わたしはかなり戸惑いました。
タイ人って何か聞いていたのと違うな、と。

 

「タイ人は遅刻するし仕事しないし遊んでばっかり」
と聞いていたのに、みんな30分前には会社に来ていたり。

「微笑みの国」というわりにはタイ人は厳しく、
他社のタイ人スタッフから
ほとんど暴言のようなクレームを受けたり。

階層社会・階級社会と聞いていたので
立場とか年齢を気にする人たちなのだろうと思ったら、
年上のスタッフにも平気で言い返し、
上司にもあからさまに嫌な顔をしていたり。

vol2 タイ人と働く。タイ人の仕事ぶりって?
タイでは現地採用として日系企業に勤めていますが、 8割はタイ人、2割は日本人という感じのオフィスで働いています。 日本にいる友人からよく、 「タイで働くってどんな感じ?」 「タイ人と仕事するの大変じゃない?」と聞かれるので、 ...

異文化での生活には慣れていても、
異文化でのビジネスは初めて。
わたしが想像していたのと全く違うタイ人たちに戸惑い、
大きな失敗こそありませんでしたが
何かうまくかみ合わないようなぎこちないような思いをしました。

 

個人の性格なのか国民性なのか、
わたしと彼らの関係性から生じるものなのか
モヤモヤしていた時に偶然この本を見つけ、
「これかもしれない」と思い読み始めました。

 

 

カルチャーマップで異文化を可視化する

この本の特徴は、
ビジネスにおいて文化の違いが生まれやすい
8つのマネジメント領域を、
カルチャーマップ」と呼ばれる指標を使って可視化していること。

 

8つのマネジメント領域とは、
①コミュニケーション: ローコンテクストorハイコンテクスト
②評価(ネガティブフィードバック): 直接的or間接的
③説得: 原理優先or応用優先
④リード: 平等主義or階層主義
⑤決断: 合意志向orトップダウン式
⑥信頼: タスクベースor関係ベース
⑦見解の相違: 対立型vs対立回避型
⑧スケジューリング: 直線的or柔軟

 

①コミュニケーションのカルチャーマップをあげてみます。

(引用: 異文化理解力―相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養 p13)

 

日本はよく「ハイコンテクストな文化」、
つまりコミュニケーションをとるときに
直接的な言い方を避けたり言外の含みを持たせて話す
と言われます。
このコミュニケーションの文化を
横軸の左にローコンテクスト、右にハイコンテクストを置いて
各国をマッピングしたのが上の図です。

日本はハイコンテクストな文化と言われる通り、
図上では日本が最も右にマッピングされています。

 

ただし、著者が何度も繰り返し述べていたのは、
ハイコンテクストかローコンテクストかの二択で
語れるものではないということ。

 

例えばイタリアは図では右寄り、
つまりハイコンテクストな文化にマッピングされていますが、
より右に位置する日本から見れば
イタリアはローコンテクストである、という意味です。

コミュニケーション

ローコンテクストかハイコンテクストか。
ハイコンテクスト文化では、遠回しな言い方や
言外の含みが多い。
メッセージを受け取る方も行間を読む必要がある。
KY=空気の読めない人は、いい聞き手ではない。

ローコンテクスト文化では、
言いたいことをはっきりと言う。
メッセージを受け取る方も、言葉のまま受け取ればよい。

評価

ネガティブなフィードバックは直接的か間接的か。
直接的にネガティブなフィードバックを行う文化では
「ここがだめだった」とはっきり指摘する。
はっきりとしたネガティブフィードバックは
誠実で率直であるととらえられる。

間接的なネガティブフィードバックを行う文化では、
先に良かったところをほめたり
「もしかしたら」「少し」「些細な問題だけど」
などダウングレードする言葉を使う。

説得

原理優先か応用優先か。

原理優先、演繹的思考とも呼ばれる。
理論的な概念から始めて
それを個別の状況にあてはめ、結論に至る方法。

応用優先、機能的思考とも呼ばれる。
個々の事象を一つずつ積み重ねて普遍的な事実に至る方法。

リード

平等主義か階層主義か。
平等主義なら、一般社員が役員に意見を言ったり、
上司の更に上司と食事をとることも特に問題視されない。

階層主義は肩書きや権力を重視する。
威厳を示すというのも大切で、
社長はいいスーツを着てよく磨かれた靴を履き、
専用車で出社するべきで、
自転車通勤をしているのを見ると恥ずかしいとさえ感じる。

決断

合意主義かトップダウン式か。

合意主義では、決断はみんなでなされるもの。
日本では稟議書を作り、関係者にまわして決裁をとる。

トップダウン式では、決断は主に上司や階級が上の人がする。

信頼

タスクベースor関係ベース。
タスクベースでは、信頼は仕事によって得るもの。
相手の業績や技術、確実性など。

関係ベースでは、信頼は親密さや友情などの感情から形成される。
仕事後の飲み会や、コーヒータイムなど個人的な付き合い。

見解の相違

対立型vs対立回避型か。

対立型では、議論は人格とは関係ないものと考えられ、
創造性が増し、素晴らしいものに行きつくポジティブなものである。

対立回避型では、グループの調和や関係性を大切にするために
表立った対立は好まない。

スケジューリング

直線的な時間か柔軟な時間か。

直接的な時間では日程厳守、
プロジェクトが計画通りに進むことが重視される。

柔軟な時間では、
先のことは分からないのできっちりとした予定はたてず、
その時その時で起きたことに柔軟に対応する。

コミュニケーションと評価の関係

この本はさまざまな実例が紹介されているのですが、
その中でおもしろかったものを1つだけご紹介します。
(あまりネタバレになるといけないので。)

 

先ほどの図を見ると
アメリカは「ローコンテクストな文化」
であることが分かります。
つまり、何か話をするときは
思ったことをはっきり伝える文化です。

何となくアメリカ人ははっきりものを言う
というイメージがありますよね。

 

ハイコンテクスト文化であるわたしたち日本人が
アメリカ人と仕事をするとき、
このコミュニケーション文化を知っていれば
「アメリカ人には遠回しな言い方ではなくはっきり言うべきだ」
と考えると思います。

しかし、アメリカ人に対して
何かネガティブなフィードバック、批判をするときに
「ここが悪い」「これができていないかった」
とはっきり言ってしまうと
アメリカ人にとっては強い批判に聞こえてしまいます。

アメリカは基本的なコミュニケーションはローコンテクストですが、
ネガティブなフィードバックをするときは、
間接的なやり方でするのがアメリカ人の文化だからです。

このように、
文化はどちらか二択で語れるものでもなければ、
場面によって変わったりいろんな要素が絡み合ったりして
ときに複雑に見えます。

 

でも複雑で難しいからと言って、
異文化理解は不可能なものではありません。
相手の文化を知っていれば十分に対応できます。

そのヒントがこの本にはたくさんつまっています。

異文化理解とは。

異文化理解とか海外で働くといった話をするとき、
たいていまずは「言葉」が浮かんでくると思います。

グローバリゼーションがすすむ時代だから英語は大切だよねとか、
海外で活躍したければ中国語もできた方がいいとか、
日本で働いていても昇進のためにTOEICのスコアが必要だとか。

これはわたしも心から賛成です。
英語や外国語は大切だと思います。

AIが発達するから英語学習は不要だという人もいますが、
少なくとも今の今は、英語を自分で話さないと
わたしは仕事になりません。

でも英語や外国語を話せても、
コミュニケーションの方法や相手の時間の捉え方が分からないと、
文化の違いによって関係性を壊しかねないのです。

相手の文化をよく知って、
お互いにコミュニケーションの取り方をすり合わせていくのが、
みんなが気持ちよく働ける方法です。

この本では、
異文化間で起きる課題とその解決方法が具体的に示されています。
日本が対象になっている事例も取り上げられています。

海外と関わって仕事をしている、グローバルにチャレンジしたい
という方にはオススメの一冊です。


異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養

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