vol69 海外就職「カントリーリスク」を考えよう。

タイで働く

カントリーリスク
という言葉を聞いたことがありますか?

仕事で海外事業に関わっている人なら聞いたことがある方も多いと思います。
最近はニュースなどでもたまに聞くかもしれません。


一般的には、企業が海外で事業活動をしたり、投資をする際に、
その国で起こりうるリスクのことをカントリーリスク、と呼びますが、
企業だけでなく、個人が海外で就職する際にも考えておきたい点があります。

今回は個人が海外就職を決めるときに考えておきたい
「カントリーリスク」のお話です。

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カントリーリスクとは?

まず、「カントリーリスク」とは何のことでしょうか。

日本経済新聞のナビサイト”Nikkei4946”は、
「カントリーリスク」を以下のように説明しています。

カントリーリスクとは、企業が外国の事業に投融資したり貿易取引をする際に、
相手国・地域の政治や社会、経済状況の変化に伴い、
損失を被ったり資金が回収できなくなったりする
危険性の度合い(リスク)のことです。

出典:「カントリーリスク」ってどんなもの?:nikkei4946.com

カントリーリスクの要因としては、
政権交代、戦争や内乱、地震や洪水などの自然災害などが挙げられています。

カントリーリスクの実例としては、
例えば以下のできごとがあったのをご存知の方もいると思います。

・2011年 タイ大洪水
2011年タイ・チャオプラヤー川流域でおきた大洪水。
死者は800人以上、観光業や製造業は大きな影響を受けた。
タイに進出している日系自動車メーカーや電子機器メーカーなどで、
部品調達が滞ったり、工場が浸水したりして操業停止になった会社も多い。

 

・2011年 アラブの春
北アフリカ・チュニジアの反政府デモに端を発し、
2011年初頭に中東・北アフリカの各国で起きた民主化運動。
このチュニジアでのデモが、エジプトやリビアなど近隣国に飛び火し、
各国で反政権デモや政権崩壊、デモ隊と治安部隊の衝突、内戦などがおき、
各国治安や経済成長が悪化した。

 

ここでのカントリーリスクは、
海外に拠点を置く・海外と取引する企業や、海外に投資する投資家などが、
その事業や投資のリスクを検討するものとして説明されています。

 

でも自然災害や政策変更の影響を受けるのは企業だけではありません。
その国で生活する「個人」も影響を受けます。

 

だから、「個人的に海外で住んで働きたい」という人も、
同様にカントリーリスクを検討すべきです。

海外就職で考えるカントリーリスク

海外就職を考えるときはもちろんメリットやデメリット、
今後の人生プラン、その国の生活の様子を調べることと思いますが、
その国で起こりうるリスク=カントリーリスクについても、
しっかり調べ、検討してください。

リスクと言ってもいろいろあるのですが、
場合によっては自分の生死にかかわる可能性のある
「治安」「医療」は絶対に下調べしておきたいポイントです。

治安に関係するリスク

自分が住もうとしている国の治安は、
自分の命にも関わることなので、必ず確認してください。

例として、以下のポイントが挙げられます。
・銃規制
・テロの発生頻度や規模
・薬物の規制・取り締まり状況
・宗教対立
・政府の安定性
・凶悪犯罪

国によって銃の所持が認められていたり、大麻が合法だったりします。
こういった国では、銃や薬物絡みの事件に巻き込まれるリスクがある、
と認識しておくべきです。
(絶対に巻き込まれるという意味ではありませんが、
リスクとしてはありますよね。)

タイについては、数か月住んでみて、比較的治安は良いと感じています。
海外旅行先としても人気で、夜遊びスポットも有名で、
日本人も夜遅くまで飲み歩くことは珍しくありません。

それでも、年に1回程度は爆弾騒ぎがあったり、
日本人が巻き込まれた強盗事件も起きたし、
タイ南部のマレーシア国境近くは、
外務省の危険情報でレベル3・渡航中止勧告が出ていたりします。

どんな治安リスクがあるのか、発生頻度はどうか、
リスクをどう回避できるか、巻き込まれたらどう対処するか、
しっかり考えておく必要があります。

 

治安情報については、
外務省の海外安全ホームページや各国の大使館のホームページで情報収集ができます。
外務省 海外安全ホームページ
海外旅行の際は「たびレジ」の登録、
3か月以上の長期滞在、居住の場合は「在留届」の登録をしてください。

医療に関係するリスク

医療に関係するリスク、
つまりけがや病気をしたときに起こりうるリスクです。

 

わたしはタイに行く際に、以下のポイントを調べました。
・その国・地域で流行している病気・感染症など
・医療体制。設備の整った病院はあるかどうかなど。
・保険制度。医療費の制度。

国や地域によってデング熱やマラリアにかかる危険性があったり、
海外でのら犬に噛まれたりした場合、狂犬病にかかる危険性があります。

vol5 タイでねこにひっかかれた話。狂犬病、破傷風etc...海外で気を付けたい病気リスク。
タイでよく見かけるノラ犬、ノラねこ。 ノラ犬はかなり大きさがあって怖いのですが、 ねこ好きのわたしにとってノラねこが多いのはうれしい限りです。 しかも、人慣れしたねこが多いので、写真を撮ったりごはんをあげたりよく遊ぶのですが、 つい先日、よく遊ぶねこにいきなりねこパンチを食らわされ、手にひっかき傷が…。

事前に知っておけば予防ができますし、
万が一の場合も、対処法を知っておけば、慌てずに対処できます。
事前にワクチンを打っておく、などの対応もできますね。

 

また、普通の風邪や下痢でも、
体調の悪い時に現地の言葉や英語で病院にかかるのはしんどいです。
タイは日本語サポートのある病院もあり、その辺は比較的安心です。

国によっては医療費が超高額という場合もあります。
医療費の制度や、保険(会社が民間保険をつけてくれるかetc.)も
事前に調べておきましょう。

今回の新型コロナウイルスは、感染が広がり、
各国ロックダウンや外出禁止など、生活にも影響がありました。
この状況を事前にリスクとして予測しておくのは難しかったですが、
こんなことも起こりうるんだという気付きではありました。

その他のリスク

とにかく「治安」と「医療」だけはしっかり下調べをしておくべきですが、
この2つだけがリスクというわけではありません。

・経済に関係するリスク
身近なところでいえば、会社からもらう給料で生活できるかどうか、
年に1回程度日本に帰国する余裕はあるか、というところです。

もう少し大きく、国の経済という観点で考えれば、
為替リスクも生活に影響を及ぼす可能性があります。
基本的には現地において現地通貨で給料をもらう場合が多いかと思いますが、
仮に日本円でもらって現地での生活費の支払いをする場合や、
現地通貨でもらって日本に送金する場合などは、為替の変動の影響を受けます。
価値が跳ね上がれば嬉しいですが、
自分が持っている通貨の価値が暴落すると家計に響きますね。

・自然災害に関係するリスク
日本自体が「災害大国」と呼ばれるくらいなので、
海外の方が自然災害の発生リスクは下がる場合もあるかもしれませんが、
万が一地震や洪水などの自然災害が発生した場合、
その後の対応がリスクになるかもしれません。

というのも、海外で自然災害が起きた場合、
避難マニュアルはあるか、日本語で情報収集ができるのか、
政府等の生活支援・経済支援が受けられるか、
など不安な点があります。

海外でのリスクをしっかり見極めよ。

ここ最近人気の海外就職・海外移住。
テレビで海外生活の特集が組まれたり、
キャリアステップの一環と捉えられたり、
いいところばかりがフィーチャーされる傾向にありますが、
メリットや楽しい生活よりも、
海外に住んで働くデメリット・リスクを洗い出す方が大事だと考えます。

デメリットやリスクを考えて、海外で働くことに消極的になれ、
という意味ではなく、
デメリットやリスクを正しく把握することで、
そういった状況を回避できる、
あるいはリスクに直面しても対処できる
からです。

 

もちろん、リスクを考えて海外就職をやめる、
という判断があってもかまいません。

 

食事とか言葉とか、行けば何とかなることもありますが、
自分の命に関わる「治安」と「医療」だけは絶対に事前に調べてください。

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